代表取締役 小宮昌人の5冊目の書籍『フィジカルAI進化論』(10月1日出版)が現在Amazonで予約受付中です。
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フィジカルAI×エージェントによる各産業の変化(組立製造業、プラント・インフラ(プラント産業)、物流業界、建設業(土木)、建設業(建築)、建物・ビル管理、自動運転・モビリティ、農業・一次産業、医療・ヘルスケア、)や、50社超のフィジカルAI×エージェントによる事例、フィジカルAI時代における産業ビジネスモデルの進化や、ダークファクトリーの動向、インダストリアルFDEの動向、企業を超えてAIを強化する連合学習・連合RAG、日本企業がいかにフィジカルAI時代に競争力を強化し、人材を育成していくのかなど触れています。フィジカルAI=ヒューマノイドではなく、既存の産業ロボットや機器・インフラ環境など幅広い変化が起こります。ぜひ前作『生成DX』とともに、お手にとっていただければ幸いです。
貴重な機会を頂いたSBクリエイティブ様と、本件で関わって頂いたすべての方に感謝です。

<章立て:書籍『フィジカルAI進化論』>
第1章 フィジカルAI前夜――今までのAI による進化の振り返り
今までのAI活用とその限界
RAGの進化と、自社LLMのトレンド
進化の方向性① フィジカルAI
進化の方向性② マルチAIエージェント
生成AIが残した進化の方向性と、2つの革新的進化
第2章 2つの地殻変動①――マルチAIエージェントの登場
マルチAIエージェント/RAG進化
AIエージェントによる生活の変化(検索編)
AIエージェントによる生活の変化(購買行動編)
AIエージェント経済圏とAIエージェント間交渉
第3章 2つの地殻変動②――フィジカルAIの登場
フィジカルAIとは何か
エンベデッドAI(フレキシブルロボット/ヒューマノイドロボット)
フィジカルAIのレイヤー構造と各種論点
第4章 変革する産業――フィジカルAI×AIエージェントがもたらす進化の方向性
各業界のフィジカルAI① 製造業(組立産業)
各業界のフィジカルAI② プラント・インフラ(プラント産業)
各業界のフィジカルAI③ 物流業界
各業界のフィジカルAI④ 建設業(土木)
各業界のフィジカルAI⑤ 建設業(建築)
各業界のフィジカルAI⑥ 建物・ビル管理
各業界のフィジカルAI⑦ 自動運転・モビリティ
各業界のフィジカルAI⑧ 農業・一次産業
各業界のフィジカルAI⑨ 医療・ヘルスケア
各業界のフィジカルAI⑩ サービス業・小売
各業界のフィジカルAI⑪ 生活(家事・家電編)
各業界のフィジカルAI⑫ 防衛・宇宙領域
幅広い業界に広がるフィジカルAI
第5章 地殻変動に伴う技術的構造変化――Software Defined化とAI駆動エンジニアリング
オペレーションのSoftware Defined化
AI駆動エンジニアリング~Generative Designの進化~
第6章 フィジカルAI時代のビジネスモデル――さらに価値を生むデータとオペレーション
ユーザー企業としてのビジネスモデル変化
BtoB企業のビジネスモデル変化
第7章 日本企業の行方――フィジカルAI地政学から見る日本の勝ち筋
オペレーションのあり方の再設計の必要性
ヒューマノイドのROIをどう見るべきか?
データ/GPUの持ち方、クラウドコストマネジメントが鍵に
フィジカルAI時代における地政学
米国+新興国 米国ヒューマノイド企業が新興国にデータを依頼する構造
中国 「実景実訓空間」の爆速展開と新興国囲い込み
欧州 製造業ユーザー企業によるデータファクトリーの展開
日本 産学官連携でのフィジカルAI推進とソブリンAIの重要性
企業を超えたデータ連携×AI強化の重要性(連合学習:Federated Learning)
第8章 AI時代に求められる組織・人のあり方――AI導入の真の目的と必要な進化
スマイルカーブ化する中で変わる人の役割
フィジカルAI実装の壁を越える「現場との対話」と「メリットの提示」
融合領域の教育の重要性:「バイリンガル・アーキテクト」を養成する若手育成と教育フレームワーク
効率化される時代においてあえての「非効率」が重要な人材育成の鍵に
おわりに 日本としての展開のあり方
現場データ・暗黙知が眠る日本の戦い方
ーーー「はじめに」よりーーーー
AI は、「PC・画面の中」から現実世界へと価値提供の範囲を広げている。従来の生成AI は、文章を書き、画像を作り、情報を検索し、人間の知的作業を支援してきた。しかし、本書で触れる実行の壁、連続タスクの壁、身体性の壁が存在しており、補助ツールの域を出ていなかった。
その課題を大きく変えてきているのが、本書のテーマである「フィジカルAI」と「AI エージェント」の融合だ。これによりAI は「相談役」から、デジタルと物理世界の両方で自律的に動く「有能な働き手・同僚」へと進化を遂げようとしている。
フィジカルAI は、「物理世界において認識し、推論し、相互作用し、行動を起こしてナビゲートする人工知能」である。現実世界(物理世界)の事象をモデル化することによって、シミュレーションをより高度化し、ロボットAI の学習に活かしたり、現場に対する直接的なフィードバックを行う。そのフィードバック対象は現在注目を浴びているヒューマノイドロボットに留まらない。既存の産業用ロボットや工作機械、自動化設備、制御機器、現場作業者、プラントなど周囲環境、ラインの加工・製造条件、自動車など影響範囲は多岐に渡る。
そして、AI エージェントはデジタル空間で計画・実行・評価を繰り返すことで、複雑な業務プロセスを自動化することができる。従来、システムごとに細分化していたり、現場の暗黙知となっていたノウハウをAI エージェントが繋ぎ、循環を生み出す。そこでの計画や指示が連携されフィジカルAI が現実世界で動き、実行結果が再度AI エージェントを通じて蓄積され
ていく。
例えば、製造業においては加工・組立などの複雑な業務をAI モデル化し自動化・技能伝承を行うとともに、多品種少量生産やマスカスタマイゼーションなどの柔軟な工程により付加価値を向上させる。回収した製品の分解や、循環した素材や部品を製造ラインに投入する際に柔軟に製造条件に反映し、循環経済対応を加速する。
また、制御のソフトウェア定義化により、リアルタイムでの柔軟な生産調整や、常にOS を進化し続ける工場のあり方が実現するとともに、FA やラインビルダーなどのBtoB 企業のビジネスモデルがサービス型へ大きく変わることになる。さらには「ダークファクトリー」とも呼ばれる新たな工場のあり方も提示されている。
こうしたフィジカルAI × AI エージェントによる変化は、製造、物流、建設、モビリティ、農業、医療、小売、サービス、そして家庭・日常生活、宇宙・防衛まで、産業そのものの設計思想が変わる可能性を持った「地殻変動」なのだ。
これらの実現においては、企業・現場に蓄積されたデータやノウハウなど、ドメインナレッジのAI モデル化が欠かせない。現場に蓄積されたデータや熟練者のノウハウを、VLM/VLA モデルなどいかにAI が学習・動作できる形式に変換するか。AI とロボットを前提として、業務や工程そのものをどう再設計するか。さらに、AI を導入して終わるのではなく、現場から得られるデータをもとにAI を継続的に改善し、競争力を高め続ける仕組みを作れるか。その能力こそが問われるようになる。
グローバルではすでにAI ファクトリーやデータファクトリー整備など、AI モデル化に向けた取り組みが進むとともに、良質な現場データ獲得の競争が激化している。中国や欧州は現場データをロボットAI モデル化する拠点を新興国にも拡大し、囲い込みを図る「データ地政学」とも呼べる動きが進むほか、企業を超えたデータ連携でAI モデルを強化する連合学習、連合
RAG の検討もグローバル規模で急速に浸透している。
フィジカルAI によって産業構造やビジネスモデルはどう変わるのか。
日本企業にはどのような勝ち筋があるのか。
そして、AI が多くの仕事を担う時代に、人間と組織には何が求められるのか。
本書が、それらの問いを考えるための地図となれば幸いである。
2026 年9 月 小宮 昌人
